薬の苦さ

子どもの頃、よく薬を飲んでいた。

大人になって、まったく飲まなくなった。

年をとって、しかたなく飲むようになった。

飲んでみると舌に残る苦さがおいしい。

子どもの頃、嫌いだった煎じ薬を

大人になって好きになったのは分かっていたが、

薬までおいしく感じるようになるとは驚きだった。

 

それでも正露丸は苦いままだと思う。あれは別格。

飲みやすくなった白いタイプのは正露丸らしくない。

正露丸正露丸らしくいてほしい。

 

ジェネリック薬にフルーツ味やコーヒー味が

増えてきていると聞いて、少しさみしい。

飲まされたのもよい思い出なのだから。